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ブランド
上質な伝統工芸品で遊ぶ
播州算盤工芸品協同組合
- 播州算盤
- 宮永英孝
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歴史
庶民に愛され続けた算盤
播州算盤(ばんしゅうそろばん)は、兵庫県小野市とその周辺地域で生産されている木製の計算道具です。
算盤は室町時代に中国から長崎を経て滋賀県大津市に伝わったのが始まりで、大坂や京都などの商人の町に近かったことから、たちまち大津算盤の生産は盛んになりました。
その後、1580年に豊臣秀吉が三木城を攻めた際、大津に逃がれた住民が算盤作りの技術を習得、故郷に持ち帰ったのが播州算盤の起源といわれています。
農閑期の副業として算盤の珠作りをするようになり、次第に産業へと発展していきました。
江戸時代には、庶民に読み・書き・計算などの初等教育をする寺子屋が全国に開設され、計算を容易にする算盤の需要が飛躍的に高まることに。
戦後、算盤産業は最盛期を迎え、小学校の算数の授業に用いられたり、子どもの習い事の定番となったりしたことから、播州算盤の生産量も年間360万丁に及びました。
その人気は1960年代に電卓が登場するまで続きましたが、世の中のコンピューター化が進むにつれて需要が減り、後継者不足が深刻となっています。
1976年に経済産業省の伝統的工芸品として認定を受けた播州算盤は、現代にマッチした新商品の開発や、その価値を広く伝えるための新たな取り組みをおこなっています。
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特徴
機能美を備えた工芸品
播州算盤の大きな特徴は、計算道具としてだけでなく、美術品としても価値の高い工芸品であることです。
使いやすさだけでなく、玉はじきの良さ、輝くような美しさ、なめらかな手触り、心地よい音など、すべての感性を満たしてくれるような逸品です。
100を超える製造工程は、それぞれ分業しており、高度な技術を持つ専門の職人が手作業でおこなっています。
主な工程としては、竹を寸法通りのひごに加工する「軸作り」、分厚い木から均一の小さな玉を作りあげる「玉削り」、上段と下段の間にある中桟(なかざん)に軸を差し込む「中桟組み」、軸に玉を通していく「玉入れ」、完成前に紙やすりやムクの葉でツヤ出しをする「磨き」、その他にも枠作りや組み立てなどがあり、緻密な匠の技が凝縮されています。
また、播州算盤工芸品協同組合では、地元の山林や竹林の間伐材を製造に使用することで、山里の環境保全にも一役を担う取り組みをおこなっています。
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お客様へ
楽しくてポップな算盤を
近年、算盤の価値が見直されてきています。
算盤は子どもの成長に欠かせない計算力や判断力、集中力を養い、創造や発想する力を育む効果が期待されています。
また、手先を使うことで脳を活性化させることから、高齢者の認知症予防にも取り入れられています。
計算道具として長い歴史を持つ播州算盤は、様々な形で進化しています。
従来の算盤の形ではなく、遊びながら楽しく学べる玩具も誕生しました。
何度でも繰り返しトレーニングしたくなるような面白さがあり、視力の発達段階にある乳幼児や、加齢により見えにくくなった高齢者の目にも留まるような鮮やかな色づかいの商品を揃えております。
ぜひ、日常生活に取り入れて活用いただければ幸いです。
カラフルでポップな天然素材の算盤は、お子様の誕生祝いや大切な方の長寿のお祝いにもおすすめです。