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ブランド
決め手は粘土と確かな技術
タツミ
- 1976年
- 淡路鬼瓦
- 興津祐扶
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歴史
古代から続く島の恵みをいただいて
瓦廊(garou)は、兵庫県南あわじ市にある株式会社タツミの自社ブランドです。
江戸時代より代々続く淡路瓦の窯元だった当社は、一度途絶えた後に1976年、祖父がタツミ窯業として再興。
淡路島で初めての鬼瓦メーカーとして製造を続け、1997年には兵庫県伝統的工芸品の指定窯元となっています。
淡路瓦の始まりは1610年、姫路城主・池田輝政の三男・忠雄が所領している淡路島に城を築くため、播州瓦の名工・清水理兵衛に瓦を焼かせたことに遡ります。
淡路島は200万年前まで巨大な湖の底であり、長い年月をかけて堆積した粘土は粒子が細かく可塑性に優れていて、瓦を作るのに最適。
そのため、淡路瓦は収縮が少なく精度が高いことや、色が鮮やかで美しい輝きが長持ちすると評価されてきました。
鬼瓦は、もともと社寺の屋根に使われる装飾瓦の一種で、魔物に睨みをきかせる守護というよりは、火災除けの意味合いが強いものでした。
江戸時代には民家においても、家運繁栄を願って棟飾りに鬼瓦が使われるようになり、淡路の鬼瓦は地場産業として発展していきました。
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特徴
静かな華やかさを放つ鬼瓦
手作業で鬼瓦を作る職人のことを鬼師(おにし)と呼びますが、全国的に少数になってきています。
そのような中でも当社は5名の鬼師集団で製作を行い、すべての工程において熟練の技で丹精込めて形にしていくことで様々な作品ができています。
淡路鬼瓦は粒子の細かい良質な粘土を原料としており、パサパサのさくい土とネバネバの粘い土の配合を絶妙な状態に調合して何度もこねていきます。
その土台の上に盛り土を繰りかえしながら、金ベラや木ベラなど様々な道具を使って鬼の面や飾りを造形。
道具は職人一人一人が自分の使いやすいように、加工したり自作したりしながら使い分けます。
できあがった鬼面はじっくりと月日をかけて乾かしていき、完全に乾燥したら1000度以上の高温で焼き締め、燻化します。
淡路瓦は、最も硬くなる温度と最も美しい温度が奇跡的に一致している為、機能と美のどちらも優れた質の高い瓦が仕上がるのです。
黒く冴えた独特ないぶし銀は、深みのある美しい輝きを放ちます。
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お客様へ
日々の暮らしに遊び心を
私たちは、鬼師が手作業で製作する鬼瓦を、身近なインテリア用品として取り入れていただけるような商品を手がけています。
卓上鬼瓦や招き猫、コースターなど遊び心を膨らませながら、丹精込めて作り上げました。
瓦は湿度の高い日本において発展してきた貴重な文化財です。
なかでも鬼瓦は雨水の侵入を防ぐだけでなく、災厄から家を守るという願いも込められてきました。
鬼に対する考え方も様々で、悪さをする怖い魔物と捉える人もいれば、災いから守ってくれる強い味方と感じる人もたくさんいます。
魔除けとして玄関に置くもよし、縁起物のオブジェとして部屋に飾るもよし、大切な方への贈り物にもおすすめのアイテムですので、ぜひ手に取って、きめの細かいいぶし銀の魅力を感じていただければ幸いです。