ブランド
折り紙の進化形ランプシェード
イノベーティブクラフトワークス
- 2022年
- 京表具
- 木南拓也
歴史
京都だからこそ発展した表具の技術
イノベーティブクラフトワークスは、京都を拠点に京表具の商品開発・製造・販売を行う会社です。
「表具」とは、奈良時代から脈々と受け継がれてきた伝統技法。
書物や絵画などに布や紙を貼って補強し、美しく、かつ、丈夫にする技術です。
代表的なものに、掛軸(かけじく)、額(がく)、巻物(まきもの)、屏風(びょうぶ)、襖(ふすま)、衝立(ついたて)などがあります。
日本には四季があり、湿気の高い気候であるため、先人たちは知恵を結集して物を保存する技術を生み出してきました。
古くから多くの寺社が存在し、宗教が栄えた京都では、お経や書画に布を貼って補強する「京表具」という技術が誕生。
政治や文化の中心地として、保存や鑑賞のために縁取りをしたり、額や掛け軸に仕立てたりする「表装」の技術へと発展しました。
私は創業97年の安達表具店の3代目として、この技術を継承してきましたが、昨今の和室の減少により、この高い技術が廃れてしまうことを危惧し、新たな一歩を踏み出したのです。
特徴
京表具師が考える折り紙と照明の融合
私は2017年、伝統的工芸品産業振興協会のフォーラム事業に参加し、伝統工芸品デザイナー平瀬尋士氏とともに新商品の開発へ乗り出すことになりました。
平瀬氏の「表具と折り紙をマッチングさせたら」というアイディアと、私の「フレームのない照明」というキーワードが結びつき、折り紙でつくるランプシェード「折灯華(せっとうか)」が生まれたのです。
一番苦労したのは素材選び。
フレームのない照明がコンセプトなので、全体を支えられるくらい頑丈でないといけないのですが、そうしますと分厚すぎて重たく、光を通しません。
試行錯誤の結果、和紙と和紙の間に樹脂を挟むことで、薄くて軽くて強い唐紙ができあがりました。
京表具師が1枚の紙に筋を入れて、手作業で折り上げる照明は、まさにぼんぼりの進化形です。
灯りを消している時は、京唐紙師が版木で刷った伝統柄がキラキラと浮かびあがっているのですが、点灯すると柄がたちまち影へと転じて、見る人を幻想的な世界へと誘います。
お客様へ
和でも洋でもない新しい照明のカタチ
「折灯華」は日本が誇る伝統の技と最新技術から生まれた、和でも洋でもないまったく新しいランプシェードです。
京表具、折り紙、和紙、前衛デザイン、最先端技術の各分野の専門家が携わり、改良を重ねて誕生しました。
この製品の最大の特徴は、フレームがないこと。
光を通すと折り紙の折りの部分が絶妙な陰影となって浮かび上がります。
そして、電球のシャープな光を和紙のシェードに通すことで、柔らかく優しい空間を演出します。
それぞれのシェードはペンダント(吊下げ型)、ブラケット(壁掛け型)、卓上型と、さまざまな使い方ができるように設計されておりますので、和室にも洋室にもマッチします。
妥協のない唯一無二の逸品を世界中の皆様にお届けできるよう全力を尽くしてまいりますので、この機会にぜひ手に取ってご覧ください。