ブランド
時代は移り変わるもの、伝統は応えていくもの
森陶器
- 1912年
- 大谷焼
- 森行雄
歴史
全国唯一の寝ろくろ技法を伝承
私たち森陶器は、1912年に徳島県鳴門市大麻町で創業した大谷焼の窯元です。
国の有形文化財に登録されている日本最大の登り窯を有し、訪れる人は敷地を埋め尽くす大甕(おおがめ)の景観に圧倒されながらも、懐かしさを感じる方も多くおられます。
一番大きなサイズの大甕は約900リットルの容量があり、製作には「寝ろくろ」が使われます。
これは信楽焼から伝わった技法で、現在では大谷焼の大物製作過程でしか見ることができません。
2人1組で、1人が寝そべって足でろくろを回し、その遠心力でもう1人が甕の成形をします。
寝そべってろくろを蹴る人は、成形する人の力の入れ具合を見ながら、蹴るリズムや速さを調整するのです。
お互いの呼吸を合わせることで完成する作業、まさに熟練の技が必要です。
大人2人が入れるほどの大きな甕は、地元の特産品である藍染のために作られていましたが藍染が廃れていくにつれ大甕の需要も減り、窯元では日用品などの小物を多く作るようになりました。
今では大谷焼の窯元6軒のうち、大物を作っているのは森陶器ともう一軒のみです。
時代とともにニーズは移り変わっていきますが、伝統技法を受け継ぎながらその時のニーズに合った今までにないものを作りたい、という私たちの心意気はいつの時代も変わりません。
特徴
大甕から食器まですべてが手作り
約240年の歴史を持つ大谷焼は、藍染製品を作る際の藍液を入れる為の大きな藍甕の需要で発展しました。
時代の移り変わりとともに大物陶器だけではなく、日用品である食器や花器、インテリアの物も制作されるようになったのです。
そして一口に大谷焼といっても、窯元によって、職人によって釉薬のかけ方や厚さ、装飾方法などが異なるため様々なものがあります。
森陶器では、地元の陶土にこだわり土の温もりを感じる器をひとつずつ丹精込めて手造りしています。
陶土に鉄分を多く含むため黒っぽい色合いでシックな印象の大谷焼ですが、藍が有名な徳島県ならではの宇宙を感じさせる深みあるブルーの商品が女性に人気です。
長い歴史と高度な職人の技術による伝統工芸品ということで敷居の高さを感じる方もおられるかもしれませんが、日常の中で使ってこそ価値が発揮され、暮らしを豊かにするために一役買ってくれることでしょう。
お客様へ
器を自由な発想で使ってほしい
森陶器は、時代のニーズや日常の暮らしに必要とされる食器や花器などの陶器を多彩にラインナップしています。
素朴な色味で味わいのあるもの、趣と重厚感を感じさせるもの、鮮やかなブルーとパープルのグラデーションが美しいものなど様々な表情をもった陶器があります。
ご家庭の普段のお料理に使っていただいたり、ホームパーティーでは大皿にメイン料理を盛りつけたりと使うことが楽しくなる器です。
盛鉢やカップ&ソーサーをその用途に使うのはもちろん、たまにはお花をいけてみたり、インテリアの一部としてお部屋に飾ってみたりとお客様の自由な発想で暮らしのワンシーンを彩るアイテムとしてお使いください。
受賞歴
1988年 第17回日本伝統工芸近畿展 入選