ブランド
Brand
歴史
History
1000年前に生まれた京漆器を現代に伝える
明治43年(1910年)に創業し、京都の嵐山で螺鈿専門店を営んでいます。漆器は英語で「ジャパン(japan)」といい、日本の伝統工芸品の代表格といえます。
堅牢で美しく、肌触りのよい漆は、生活用品や装飾品の塗料として理想的で、もともとは中国から伝来しました。平安時代の宮廷の漆器生産に始まる京漆器は、貴族好みの瀟洒な仕上がりを伝統としています。
室町時代には茶道の影響を受けた「東山時代物」といわれる名品が多く作られました。塗りや加飾に様々な技法があり、真塗りや華麗な蒔絵などが京漆器の代表となっています。また、貝の内側に、紅・青色光沢を持った真珠質の綺麗な部分を、漆の中に加飾する漆工芸の伝統技法があります。
その技法を使って作られた商品を「螺鈿(らでん)」と呼びます。平成5年(1993年)に3代目が代替わりし、今日まで螺鈿専門店として、材料の選定・調達から製造のすべての工程を自ら一貫して行っています。
特徴
Characteristic
螺鈿をミラーに反射させ、螺鈿の新時代を切り開くシンメトリーな美しさ
Vison-Visuシリーズ(螺鈿インテリアミラー)は、京都コンテンポラリー(京都市のプロジェクト)に参加し、Pierre Charrié氏(パリのインテリアデザイナー)と開発したコラボレーション商品です。
鏡特有の反射を利用したシンメトリーなデザインは、螺鈿の特徴である貝の妖艶な魅力を最大限に引き出し、我々が100年続けてきた工芸技術の素晴らしさとが、絶妙にマッチしています。
デザイナーであるPierre Charrié氏を京都の工房に招き、2週間にわたる打合せや視察を行い、アイデアを練り上げました。
「漆は磨き上げると、顔が映るほど鏡面状に仕上がる」という内容を説明すると、Pierre Charrié氏から「ミラー関係の商品を作りたいが、ミラーはすでに作っていますか」と質問がありました。
我々は「手鏡は作成したことがあります」と答えると、彼は一晩かけて今回のインテリアミラーのプロトデザインを作成しました。ミラーは通常、自分の顔を見たり、自分の身だしなみを整えるものです。
しかし、Pierre Charrié氏のデザインは、ミラーに螺鈿を反射させ、螺鈿の美しさを新しい手法で表現するものでした。伝統的な技術を内側に閉じ込め、外側のフォルムはiPadのような、モダンでスタイリッシュなデザインです。
形状を美しく保つために接合部に蝶番に使っていましたが、見た目を優先するためにマグネットを採用し、より洗練されたデザインとしました。さらに、全体の形状をiPadのような美しい流曲線とするために、何度も試作品を作り直しました。
最初は機械で角の曲線を計算していましたが、より滑らかな曲線を作り出すために、最終的には手作業で角の曲線を作っているこだわりの商品です。
お客様へ
For Customers
厳選した材料と技術力を活かし、安らぎの「時・空間」を作りたい
経営理念「心が穏やかになるものを作る」
ライフスタイルが著しく変化し続ける時代の中で、「心」が安らぐ時間を作ることは簡単ではありません。
このような時こそ、安らぎの「時・空間」が必要です。厳選した材料と技術力を活かし、一点一点手間をかけて製作しています。
当店の作品で、お客様が和んでいただける時間を提供したいという願いを作品に込めています。Vison-Visuシリーズは、2018年1月にパリの「メゾン・エ・オブジェ」展示会に出展し、またパリ市内でのギャラリーでの販売で、非常に高い評価を得ることができました。
玄関先やリビング、寝室などに置いていただければ、普段何気なく過ごしている空間を、より特別な空間へと演出することができます。螺鈿の新しい可能性を楽しんでください。
受賞歴
Awards
2001年 京漆器加飾部門 伝統工芸士認定
2013年 京都府より「京の老舗」表彰
2017年 京都市より「未来の名匠」認定