ブランド
基礎づくりの裏方から表舞台へ
三彩工房
- 1994年
- 摺り友禅彫刻師
- 峪博
歴史
友禅染めを支える大切な仕事
三彩工房は1994年に京都で創業した、京友禅の染め型を製作している工房です。
江戸時代に宮崎友禅斎が広めた友禅染は、日本画を手描きで染める物でしたが、明治初期に型紙を使った多色染の「型染め友禅」が生まれました。
その型紙を彫る彫刻師が、私たちの仕事です。
京友禅は20種類以上も制作工程があるため、各工程をそれぞれ専門の職人が分業でおこなっています。
型染め友禅は手描きよりも効率的な染色方法ですが、摺る色の数だけ型紙が必要なので、1枚の着物に対して数十枚から数百枚ほど準備しなければなりません。
ですから、型染め友禅は摺り師と彫刻師の共同作業によって初めて完成するのです。
私は、京都の柏木工芸で摺り友禅彫刻師として型製作に従事した後、独立。
創業当初より、振袖や浴衣など和装の型を作成してきました。
2003年には経産省認定の京友禅伝統工芸士となり、現在に至っています。
特徴
時代の波に乗る伝統工芸品をつくる
京友禅を支えていくためには、伝統技術を継承しながらも、時代の変化に敏感に対応していかなければならないと考えています。
私たちが作成する型は2種類あり、お客様の染め方によって変えています。
小刀や丸キリなどの道具を使って手彫りでデザインを施す「切り型」は、この道50年以上の熟練した職人がひとつひとつ丁寧に手作業で作成しています。
一方、アルミ枠に特殊な膜を乗せ、光を当てて転写させる「シルクスクリーン製版」という方法もあります。
また、2007年には、近年主流のインクジェット用データの制作を開始し、そのデータ数は数千種類にも及びます。
さらに2020年より、これまで培ってきたデザインのデータを活用して彫刻を施す「レーザー加工事業」を始めるなど、最先端技術を駆使しながら事業を展開しています。
彫刻だけでなく塗装も自社で施し、京友禅の華やかな世界観をお見せしながら、職人としてのこだわりに挑戦しています。
お客様へ
華やかで質の高い友禅の世界をぜひ
私たちは、創業以来20年以上、京友禅の染め型の彫刻に携わってきました。
伝統技法の継承はもとより、最新の技術を取り入れ、世の中の変化に対応できるよう常にチャレンジの日々を過ごしています。
とくに、新しい機械を導入して彫刻を施した木製の食器は、展示会でも高評価を得ており、大きな手ごたえを実感し、今では自信をもって皆様におすすめできる商品となりました。
日本の自然美である花鳥風月の文様と京友禅特有のぼかし技法や多くの色を組み合わせ、熟練の職人がひとつひとつ丁寧に仕上げています。
大切な人との食事会や、気分を変えたい時などに、心を明るくしてくれるような彩りの商品を取り揃えておりますので、ぜひ手に取って感じていただければ幸いです。
受賞歴
2020年 京都府認定 京の名工 受賞
2011年 京都市認定 伝統産業「未来の名匠」
2003年 経産省認定 京友禅伝統工芸士