ブランド
歴史を繋ぐアイディア
陶謙窯
- 2002年
- 京焼・清水焼
- 奥村謙介
歴史
京の都で発展した焼き物
陶謙窯は、2002年に京都で創業した「京焼・清水焼」の工房です。
京焼とは、京都で生産される焼き物全般を指し、安土桃山時代から東山山麓を中心に始まりました。
当初はそれぞれの窯元の名前で認識されており、「京焼」という名称が定着したのは明治以降であると言われています。
一方、清水焼は、清水寺の敷地内や参道にある窯で焼かれていた焼き物で、京焼の1種類に含まれます。
これらの陶器は、茶の湯文化の流行にともない発展を遂げました。
都である京都には良質な材料や職人が集まり、技術を磨いていったため、自然と日本各地の技法が集結し、融合していったのです。
清水焼以外の京焼は、時代の流れとともに衰退してゆきましたが、現在は京都で生産される焼き物全般を「京焼・清水焼」と呼んで、大切に受け継がれています。
全工程を手作業でおこなう京焼・清水焼は、唯一無二の希少価値の高い焼き物であり、国の伝統的工芸品に指定されています。
特徴
伝統技術に新しい風を
陶謙窯は、熟練した職人が清水焼の伝統工芸技術を継承しながらも、若い作り手が新しいモノづくりに挑戦している窯元です。
大量生産の器と異なり、京焼・清水焼には作家の技術やセンスがあふれています。
しかし、近年、こうした作家や職人が疲弊し、若い人を雇うことも難しく、後継者不足がますます深刻化しています。
危機感を持った私たちは、若い職人たちが夢を持って、自由な発想で創作ができる場所を作ろうと考えました。
そして、京焼・清水焼を美術品として高く評価されるだけでなく、もっと気軽に、もっと身近に使っていただける実用性の高い焼き物にしたいと、新しいブランドを立ち上げたのです。
これまで受け継がれてきた伝統の技を途絶えさせることなく、現代のライフスタイルに自然にとけこむようなアイテムを作り続けていきます。
作り手と使い手が自由に交流し、新しい発想でモノづくりができる開かれた窯元を目指します。
お客様へ
京焼・清水焼を日常に
私たちは「毎日の暮らしに、自然とひとつになるよろこびを」をコンセプトに、現代の洋風な生活洋式にとけこみ、普段づかいしていただけるような京焼・清水焼を提供しています。
たとえば、大人からこどもまで、それぞれの手のサイズや量に合わせたごはん茶碗やマグカップなど、家族みんなで揃えて使える器です。
スタイリッシュで洗練された佇まいと、熟練の職人技に裏打ちされた品質には、きっとご満足いただける事と思います。
陶謙窯は、従来の価値観にとらわれず、ライフスタイルに合わせたモノづくりをしながら、手仕事のぬくもりを日常の中にそっと忍ばせたいと考えています。
それは、人工的で規則正しすぎる現代社会に、自然界にしか存在しない不規則なゆらぎを与え、五感でくつろぐ感覚を感じてもらうことです。
ぜひ一度、私たちの器を手に取って、自然が生み出す心地よいゆらぎを感じていただければ幸いです。
受賞歴
2022年 京都商工会議所 第二回知恵ー1グランプリ チャレンジ部門 グランプリ受賞
2022年 京都府 令和4年度 京都優良企業表彰 受賞